昨今、70歳まで働ける社会の実現に向けた制度改正が毎年のように行われています。雇用保険料の免除措置の廃止や改正高年齢者雇用安定法による70歳までの企業に対する雇用確保努力義務、在職老齢年金の見直しなどに加え、2022年4月より新たな制度として「雇用保険マルチジョブホルダー制度」が開始されます。

従来の雇用保険制度は、週所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用の見込みがなければ雇用保険に加入できない仕組みでした。1社単位ではこれら要件を満たさない労働条件でも2社で合算するとその要件を満たす場合、65歳以上の労働者が申し出ることで、特例的に雇用保険被保険者になることができ、退職時に高年齢求職者給付金の受給が可能となる制度です。

注意点としては、本人が申し出た後、ハローワークから通知を受け取った事業主は雇用保険料の徴収を行う必要があるため、給与計算の際に徴収及び雇用保険料の納付が必要なことです。また、マルチジョブホルダーの要件を満たさない場合(離職した場合/いずれか一方の事業所で週所定労働時間5時間未満又は20時間以上となった場合/2つの事業所の週所定労働時間の合計が20時間未満となった場合等)はマルチジョブホルダーの喪失手続きが発生するため、単なる喪失手続きと異なる考え方であることも念頭に置く必要があります。
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