36協定
2019.03.28
36協定は働き方改革関連法案成立でどう変わる?
36協定とは?
2018年6月に成立した働き方改革法

2018年6月に働き方改革法案が成立しました。これにより実際に2019年4月以降に順次改正法が適用開始されます。2019年4月に改正法が施行されるものの中には「時間外労働の上限規制(中小企業は2020年4月施行、医師などの一部業種は2024年4月以降施行予定)」もあります。
この法改正はいわゆる36協定(サブロクきょうてい)に影響を大きく与える事となります。そもそもその36協定はどういう協定なのでしょうか。36協定の基礎知識についてお伝えしていきたいと思います。

36協定とは?

この36協定は労働者に対して労働基準法によって定められた法定労働時間(1日8時間、1週間で40時間)を超えて働かせる場合や法定休日に働かせる場合は予め労働組合あるいは労働者の代表と協定を結ばなければいけない……というルールに基づいて結ばれた協定のことを言います。
正式には36協定は「時間外・休日労働に関する協定届」と呼ばれていて、予め労使で書面により協定を締結して、これを所轄の労働基準監督署長に届け出る必要性があります。 労働者に残業をさせる可能性が確実に0%と言い切れる企業以外は基本的には36協定を締結させておかなければいけないのです。

36協定未締結だと?

36協定が締結されていない状態で労働者に残業をさせてしまうと、実際の残業時間がどんなに短くても違法となってしまいますので注意が必要です。
ただ、現状36協定を締結させずに労働者に残業をさせている企業が中小企業を中心にまだまだ少なくないようです。今後はより一層取り締まりも強化されますので、適切な対応策をとっていく必要があります。

働き方改革法案で具体的に36協定はこう変わった!
ポイント①残業時間の上限が定められるようになる

法律で残業時間の上限が定められるようになり、違反の場合は罰則(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科される恐れがあります。

以前から上限時間の定めはありましたが、臨時的な特別な事情と認められた場合は実質上限無しで残業をさせることが可能でした。行政指導の対象となるケースはあっても刑事罰を受けるケースは無かったのです。 改正後は臨時的な特別な事情と認められたケースでもきっちりと残業の上限が定められています。

ポイント②残業時間の上限時間

臨時的な特別の事情が認められた際の残業時間の上限は年間で720時間以内、複数月平均80時間以内、月100時間未満です。複数月平均80時間以内というのは、「2ヶ月平均」「3ヶ月平均」「4ヶ月平均」「5ヶ月平均」「6ヶ月平均」の全てが1ヶ月あたり80時間以内となる必要があります。

例を挙げると、4月の残業時間が95時間、5月の残業時間が64時間の場合、いずれの月も月100時間未満に該当し、2ヶ月の平均も80時間を下回るので、セーフです。4月の残業時間が101時間、5月の残業時間が58時間となると、2ヶ月平均は80時間を下回るものの、4月の残業時間が100時間オーバーという事なので、アウトになってしまいます。

ポイント③現在の36協定の効力は?

法律施行日の前日、当日を跨ぐ36協定は引き続き有効です。
大企業は2019年4月1日から時間外労働の上限規制の法律が施行されますが、例えば2018年10月1日に結ばれた36協定は2019年の9月30日までは有効となり、新しい上限規定は適用されません。ただし、その後結ばれる36協定は新しい法規制に基づき結ぶ必要があります。

新しくなった36協定はどう対応すればいい?
労働基準監督署や社会保険労務士へ

残業時間がどうしても多くなってしまいがちな業種の事業主にとっては厳しい対応を迫られることと思います。

この法改正に関する相談は労働基準監督署でも受け付けていますので、必要に応じて相談に行ってみるのも一つの手であります。 また、労働問題に強い社会保険労務士に相談の上で時間をかけて対応を協議していくのが中長期的な対応策としてはベストと言えるかもしれません。

助成金の活用

人員を増員する場合は人件費の問題が発生しますが、労働関係の助成金もありますので、助成金の申請も検討されてみてもいいでしょう。

参考
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/overtime.html

田治米 洋平
特定社会保険労務士 (全国社会保険労務士会連合会 登録番号13060418)
1980年大阪生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業。IT企業勤務を経て、2006年たじめ労働法務事務所を創業。2017年、社会保険労務士法人たじめ事務所へ組織変更、代表社員就任。
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