高齢者就業確保措置に対する行政指導の方針が示されました(厚生労働省)
2021.04.16
令和3年4月より施行された改正高年齢者雇用安定法による70歳までの就業機会確保の努力義務について、厚生労働省職業安定局長が「高年齢者雇用対策の推進について」(令和3年3月26日職発0326第10号)を発出、各都道府県労働局長に通達しました。

これにより今後の行政指導の方針が示されているのでご紹介します。

『・・・第3 高年齢者就業確保措置の実施に係る指導
1 高年齢者の就業確保に関する指導等に関する方針
就業確保措置は、令和2年改正により新たに設けられた努力義務であり、また、雇用確保措置とは異なる創業支援等措置を新たな選択肢として規定していることから、まずは制度の趣旨や内容の周知徹底を主眼とする啓発及び指導を行うこと。

また、70 歳までの就業確保措置の実施に向けた自主的かつ計画的な取組が促進されるよう定めた下記2の指針(高年齢者就業確保措置の実施及び運用に関する指針の基本的考え方)についても周知徹底を図ること。
雇用時における業務と内容及び働き方が同様の業務を創業支援等措置と称して行わせるなど、令和2年改正の趣旨に反する措置を講ずる事業主に対しては、措置の改善等のための指導等を行うこと。
労働局及び安定所における積極的な周知とあわせて、企業が賃金・人事処遇制度の見直し等を行う場合において 65 歳超雇用推進プランナー等が専門的・技術的支援を有効に行えるよう、安定所は、適切な役割分担の下、都道府県支部と密接な連携を図ることとしており、こうした方針に基づき、就業確保措置に係る助言等を行うこととする。』

以上のように、主に制度の周知に主眼が置かれていますが、趣旨と異なる制度を導入している企業には改善指導が入るため、場当たり的な対応ではなく、労使十分な協議を経た趣旨に沿った制度導入が求められています。

※「高齢者雇用対策の推進について」(令和3年3月26日職発0326第10号)
※平成25年4月1日職発0401第3号はこれにより廃止されました。
パパ・ママ育休プラスについて
2021.04.12


女性の育児休業の取得率は、82.2%(平成30年度 厚生労働白書)と、育児休業制度の定着がみられています。
第一子出産後の女性の継続就業割合では、53.1%(平成27年度 厚生労働白書)と、今だ半数以上の女性が出産を機に離職してます。


また、男性の育児休業取得率を見ると6.18%(平成30年度)で、年々増加傾向にはありますが、
男性の子育てや家事に費やす時間も先進国最低の水準であるのが現状です。
年々増加傾向にあることから、男性も育児休業を取りたいと考えている人が想像以上に増えてきています。
男性の育児休暇の取得率を上げ、取得しやすくする環境や制度を整備した企業について助成や支援の取り組みを行っています。
『パパ休暇』『パパ・ママ育休プラス』を活用してはいかがでしょうか。


『パパ休暇』とは
通常、育児休業の取得は原則1回までですが、子の出生後父親が8週間以内に育児休業を取得した場合には、
特別な事情がなくても、再度育児休業が取得できる制度です。


〇要件
・子の出生後8週間以内に育児休業を取得していること
・子の出生後8週間以内に育児休業が終了していること


『パパ・ママ育休プラス』とは
両親がともに育児休業をする場合に、以下の要件を満たした場合には、
育児休業の対象となる子の年齢が、 1歳2ヶ月にまで延長される制度です。


〇要件
・配偶者が子が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
・本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
・本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降であること

※1人当たりの育休取得可能最大日数(産後休業含め1年間)は変わりません。
テレワークガイドラインが改定されました(厚生労働省)
2021.04.02
従来からのテレワークガイドラインがタイトル(「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」)も含め改定されました。
主に労働時間制度や労働時間管理についての解釈が示されており、特に昨今適用される場面が減っていた「事業場外みなし労働時間制」について判断が示されているため抜粋します。中抜け時間や残業時間の管理でお悩みの場合のヒントになるかもしれません。

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事業場外みなし労働時間制は、労働者が事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定することが困難なときに適用される制度であり、使用者の具体的な指揮監督が及ばない事業場外で業務に従事することとなる場合に活用できる制度である。テレワークにおいて一定程度自由な働き方をする労働者にとって、柔軟にテレワークを行うことが可能となる。
テレワークにおいて、次の(1)(2)をいずれも満たす場合には、制度を適用することができる。
(1)情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと
 この解釈については、以下の場合については、いずれも(1)を満たすと認められ、情報通信機器を労働者が所持していることのみをもって、制度が適用されないことはない。
・ 勤務時間中に、労働者が自分の意思で通信回線自体を切断することができる場合
・ 勤務時間中は通信回線自体の切断はできず、使用者の指示は情報通信機器を用いて行われるが、労働者が情報通信機器から自分の意思で離れることができ、応答のタイミングを労働者が判断することができる場合
・ 会社支給の携帯電話等を所持していても、その応答を行うか否か、又は折り返しのタイミングについて労働者において判断できる場合

(2) 随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと
以下の場合については(2)を満たすと認められる。
・ 使用者の指示が、業務の目的、目標、期限等の基本的事項にとどまり、一日のスケジュール(作業内容とそれを行う時間等)をあらかじめ決めるなど作業量や作業の時期、方法等を具体的に特定するものではない場合
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/guideline.html
令和3年4月以降の小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援助成金(厚生労働省)
2021.03.30
新型コロナウィルスによる小学校等に通う子を保護者としてもつ労働者に有給の休暇を与えた場合に助成されていた小学校休業等助成金について、令和3年4月より「両立支援助成金 育児休業等支援コース」に組み込まれます(新型コロナウイルス感染症対応特例)。

これに伴い、要件・制度の変更があります。

・要件
(1)次のどちらも実施されていること)
(イ)小学校等(小学校、保育園、幼稚園など)が臨時休業等になり、それに伴い子どもの世話を行う必要がある労働者が、特別有給休暇(賃金が全額支払われるもの)を取得できる制度の規定化。
(ロ)小学校等が臨時休業等した場合でも勤務できる両立支援の仕組みとして、次のいずれかの社内周知。
・テレワーク勤務
・短時間勤務制度
・フレックスタイムの制度
・始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度(時差出勤の制度)
・ベビーシッター費用補助制度 等
(2)労働者一人につき、(1)の(イ)に定めた特別有給休暇を4時間以上取得したこと。

・金額
1人あたり5万円 ※10人まで(上限50万円)

従来は1人当たり1日最大15,000円の給付だったので大幅な減額となりますが、今後も長引くことが予想されるため、対象者がいるようであれば積極的に活用していきましょう。
https://www.mhlw.go.jp/content/000754794.pdf
次世代育成支援対策推進法に基づく「行動計画策定指針」の改正(厚生労働省)
2021.03.24
次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定指針が改正(令和3年4月1日以降適用)され、休暇制度や柔軟な働き方の導入を進め、会社内における不妊治療等に対する理解の促進に努めるため指針が改正され、同時に次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・変更届の様式も変更となります。

主な改正点は、以下の通りです。
「不妊治療を受ける労働者に配慮した措置の実施」との項目を追加
○ 以下のような措置を講ずること。
・ 不妊治療のために利用することができる休暇制度(多目的休暇を含む)
・ 半日単位・時間単位の年次有給休暇制度
・ 所定外労働の制限、時差出勤、フレックスタイム制、短時間勤務、テレワーク 等
○ この場合、下記の取組を併せて行うことが望ましいこと。
・ 両立の推進に関する取組体制の整備
・ 社内の労働者に対するニーズ調査
・ 企業の方針や休暇制度等の社内周知、社内の理解促進、相談対応
○ 不妊治療に係る個人情報の取扱いに十分留意すること。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14408.html#h2_free2
社会保険労務士法人 たじめ事務所 TEL.03-3511-0345(平日 10:00~18:00)アクセス