マイカー通勤手当の“非課税限度額”が11年ぶりに引き上げ
2025.11.17
政府は、マイカー通勤手当の非課税限度額を11年ぶりに引き上げる方針を正式決定しました。ガソリン価格の高騰など物価上昇を踏まえた措置で、2025年度税制改正に盛り込まれています。対象となるのは今年4月以降に支給した通勤手当で、年末調整で精算されます。

非課税限度額は、片道10km以上で距離区分ごとに増額されます。
例えば10km以上15km未満は月7,100円から7,300円に、25km未満は13,500円、35km未満は19,700円へ。最も距離が長い55km以上では31,600円から38,700円へと大幅に拡大します。
一方、10km未満の区分は変更ありません。

今回の改正により、就業規則の見直しや社員への周知など準備が必要となります。
健康保険証の廃止と暫定措置について
2025.11.14
12月1日をもって従来の健康保険証が一斉に失効し、受診にはマイナ保険証または資格確認書の提示が原則となります。しかし、現時点のマイナ保険証の利用率は37.14%にとどまり、制度移行期の混乱が避けられないことから、厚生労働省は来年3月末までの暫定措置を示しました。

これは、期限切れの保険証を提示した場合でも、医療機関がオンライン資格確認などで資格を確認できれば、患者に全額負担を求めず、従来どおりの負担割合で受診できるようにするものです。資格確認書がまだ届いていない人や、「資格情報のお知らせ」しか持参していない場合でも、資格が照会できれば受診が可能とされています。

企業としては、従業員へ新しい受診方法の周知を早期に行うことが重要であり、あわせて入退社時の資格手続を遅滞なく行うことで受診トラブルを防止できます。被扶養者認定にも時間を要することがあるため、申請は早めに進めることが望まれます。今回の措置はあくまで経過的な対応であり、4月以降は通常運用に戻る可能性が高いため、企業内での案内や情報整理を進め、スムーズな制度移行に備えていただくことをお勧めします。
https://www.hokeni.org/docs/2025071800050/file_contents/jimu20250627.pdf
育成就労制度の概要と最新動向
2025.10.21
2024年に成立した改正入管法により、長年続いた「外国人技能実習制度」が廃止され、新たに「育成就労制度」が創設されました。
本制度は2027年4月からの本格施行を予定しており、これまで技能実習制度を活用されていた企業様にとっては、制度移行への対応が求められるだけでなく、今後の人材確保戦略にも大きな影響を与えると見込まれます。

在留資格「育成就労」の概要
・在留期間は最長3年間
・対象分野は、特定技能制度の12分野を中心に17分野
・就労中に特定の要件を満たすことで、特定技能1号への移行が可能

転籍(職場変更)のルール
・原則として転籍は可能(分野ごとに制限期間が設けられる)
・転籍時の費用補填や、送り出し機関との契約解除に関するルール整備も進められている

家族帯同の可否
・育成就労期間中は、原則として家族の帯同は認められていない
・特定技能2号に移行すれば、家族帯同が可能となる

制度運用の変更
・監理団体制度は廃止され、代わりに「登録支援機関」が支援をする
・送り出し機関との契約や費用構造の透明化が求められている
・不適切な仲介や人権侵害を防ぐため、政府による監督体制が強化される

企業側の対応
・育成計画の策定と実施が義務付けられる
・外国人労働者への日本語教育や生活支援体制の整備が必要となる
https://www.moj.go.jp/isa/applications/index_00005.html
育成就労制度が2027年4月1日から開始されます
2025.10.02
政府は外国人技能実習制度に代わる新たな制度として、育成就労制度を2027年4月1日から開始することを閣議で決定しました。これに伴い、改正入管法などの関連法も同日に施行される予定です。

育成就労制度では、原則三年間の在留期間の中で、未熟練の外国人労働者を特定技能1号の水準まで育成することを目指します。さらに、特定技能2号まで取得した場合には、家族の帯同が認められ、無期限での就労が可能となります。
これにより、外国人労働者が日本で長期的に働き続ける道が開かれることになります。受け入れ企業としては、これまでの「出稼ぎ」重視の外国人労働者から「日本に住みたい」労働者に選んでいただけるよう、魅力的な職場風土作りが求められます。
業務改善助成金が拡充されました
2025.09.08
業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者が従業員の賃金を引き上げる際に、そのための業務改善(設備投資や教育訓練など)にかかる費用の一部を国が助成する制度です。

今回、最低賃金の大幅な引き上げに伴い、当該助成金が拡充されました。

●対象事業所
事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内の事業所が対象
⇒《2025/9/5~》 事業場内最低賃金が改定後の地域別最低賃金額未満までの事業所が対象

●計画書の省略
2025/9/5から2025年度当該地域の最低賃金改定日の前日までに賃金引上げを実施していれば、賃金引上げ計画の提出は不要

その他、設備投資投資計画や助成額については従来通りとなります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63127.html
社会保険労務士法人 たじめ事務所 TEL.03-3511-0345(平日 10:00~18:00)アクセス