マイナポータルとデジタル認証が統合「マイナアプリ」8月25日提供開始
2026.08.06
デジタル庁は2026年7月28日、マイナンバーカードによる本人確認に対応した「マイナアプリ」を、2026年8月25日に提供開始する予定と発表しました。現行のマイナポータルアプリに、官民で導入が進むデジタル認証アプリの仕組みを統合したもので、ひとつのアプリで各種サービスへの本人確認が完結できるようになります。

主なポイントは以下の通りです。
・アプリストア上で現行のマイナポータルアプリが「マイナアプリ」に名称変更され、アップデートによって利用開始できます。新たなアプリのインストールは不要です
・デジタル認証アプリの利用者は、認証・署名時やアプリ起動時にマイナアプリへ誘導される仕組みです
・初回利用時は、マイナンバーカードを使った利用登録が必要です
・スマートフォンの端末ロック(PIN・顔認証・指紋認証等)の設定が必須で、未設定の場合はアプリを利用できません
・提供開始日は最終テストの結果により変更となる可能性があります

人事・労務の実務では、電子申請の際の本人確認や、従業員自身がマイナポータルで年金記録・医療費情報等を確認する場面で関わってきます。特に年末調整の電子化を進めている企業では、控除証明書等のデータをマイナポータル経由で取得する運用をされているケースもあり、従業員から問い合わせを受ける可能性があります。

差し当たり企業側で必要な対応はありませんが、8月25日以降、従業員から「アプリの名前が変わった」「使えなくなった」といった問い合わせが想定されます。端末ロックの設定が必須である点は特に見落とされやすいため、社内案内に一言添えておくとよいでしょう。年末調整の電子化やマイナンバーの取扱いについては、お気軽にご相談ください。
https://services.digital.go.jp/mynaapp/news/20260728-01/
2026年度最低賃金の引き上げ目安は55円、全国平均1,176円へ
2026.07.30
中央最低賃金審議会の小委員会は2026年7月28日、今年度の最低賃金引き上げ額の目安を全国加重平均で55円(4.9%)と決定しました。今後、各都道府県の審議会で目安通りに改定されれば、全国加重平均は現在の1,121円から1,176円に引き上げられます。引き上げ幅は昨年度の63円(6.0%)を下回りましたが、金額ベースでは過去2番目の大きさとなります。

都道府県のランク別目安はAランク(東京など6都府県)が54円、BランクとCランク(その他道府県)が56円です。例年8月中に各都道府県の答申がまとまり、10月初旬から順次発効となる見込みです。

10月の改定に向けて、以下の準備を進めておくとよいでしょう。
・適用される最低賃金の確認:最低賃金は事業場の所在地で判断します。支店や店舗が複数の都道府県にある場合は、エリアごとに金額も発効日も異なりますので、それぞれ確認が必要です
・アルバイト・パートの時給確認:時給が改定後の最低賃金を下回らないか確認し、必要であれば引き上げます
・月給制社員の時給換算:見落とされがちですが、月給制の社員も所定労働時間で割り戻した額が最低賃金を上回っているか確認が必要です。特に所定労働時間が長い職場や、基本給が低く各種手当で補っている場合は注意が必要です。なお、割り戻しの計算では通勤手当・家族手当・精皆勤手当・時間外手当等は除外して判断します
・改定後の周知:時給を変更した場合は、対象者へ改定内容を書面等で伝えておくと後々のトラブル防止になります

最低賃金違反は、知らなかった場合でも50万円以下の罰金の対象となります。月給制社員の時給換算など、ご不明な点はお気軽にご相談ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74920.html
期限切れ保険証の暫定措置、7月末で終了
2026.06.22
厚生労働省は2026年6月18日の社会保障審議会医療保険部会で、有効期限切れの健康保険証を持参した場合でも保険診療を受けられる暫定措置を、2026年7月末で終了させる方針を明らかにしました。8月以降は「マイナ保険証」または「資格確認書」での受診が必須となります。

従来の健康保険証は2025年12月1日に有効期限が切れており、それ以降はマイナ保険証か資格確認書での受診が原則とされていました。しかし、医療現場の混乱を避けるため、被保険者番号等で資格確認ができる場合は3割等の窓口負担で受診を認める暫定措置が続けられてきました。2026年4月時点のマイナ保険証利用率は68.15%まで上昇しており、これを踏まえての終了判断となります。

ストレスチェック、2028年4月から全事業所で義務化へ
2026.05.19
厚生労働省は2026年5月18日、労働政策審議会分科会において、従業員50人未満の事業所におけるストレスチェック義務化の施行期日を2028年4月とすることを明らかにしました。精神障害の労災認定件数が増加する中、2025年5月に改正労働安全衛生法が成立しており、今回の発表によって全事業所が義務化の対象となることが確定しました。

ストレスチェックとは、「心身のストレス反応」「ストレスの原因」「周囲のサポート」等に関する質問票を従業員が回答し、高ストレス者を把握する制度です。集団ごとの集計・分析(集団分析)を通じて職場環境の改善につなげることが本来の活用方法であり、高ストレスと判定された従業員には医師等による面接指導が実施されます。

50人未満の事業場での実施にあたっては、以下の点が主な課題となります。
・産業医の選任義務がなく、外部機関の活用が推奨されている(面接指導は全国の地域産業保健センターで無料対応可)
・少人数のため個人のプライバシー保護に特段の配慮が必要
・地域・業界単位での共同実施など、コストを抑えた実施方法の検討が有効
・外国人労働者も対象となるため、厚労省公開の英語版調査票や英語対応の外部機関の活用も選択肢

メンタルヘルス不調による休職・退職は全規模の事業場で増加傾向にあり、特に20〜30代の若年層で顕著です。人員の少ない職場ほど一人の離脱が業務全体に与える影響が大きく、施行まで約2年、早期の体制整備が経営リスクの軽減にもつながります。実施体制の構築や衛生管理規程の整備についてはお気軽にご相談ください。
同一労働同一賃金ガイドライン改正 2026年10月予定
2026.05.13
労働政策審議会で議論されていた同一労働同一賃金ガイドライン(指針)の見直し案は2026年10月の施行が目標とされています。法改正は伴わず指針の改正のみですが、パートタイム・有期雇用労働法第8条(不合理な待遇差の禁止)の違反判断に直結するため、実質的な義務強化と受け止める必要があります。

今回の主な改正ポイントは、これまでガイドラインに明記されていなかった以下の5項目に「問題となる例・問題とならない例」が新たに示された点です。
・家族手当:継続的な勤務が見込まれる有期雇用労働者への不支給は問題あり
・住宅手当:転居を伴う配置変更が見込まれる有期雇用労働者への不支給は問題あり
・退職手当:職務内容・配置変更範囲が正社員と同等で長期勤続している場合、不合理な差は困難
・無事故手当:業務内容が同一の場合は正社員と同一支給が必要
・賞与:貢献度や業績評価を目的とする賞与は、有期雇用労働者にも同様の支給が必要

また、これまで対象外だった「無期雇用フルタイム労働者(無期契約の非正規社員・限定正社員等)」も是正対象として追加される点にも注意が必要です。

人事担当者として今すぐ取り組むべき対応としては、①雇用区分・人数と各待遇の一覧化、②上記5項目の待遇差の有無と合理的根拠の文書化、③就業規則・給与規程と実態の整合性確認、④待遇差の説明義務に備えた資料整備が挙げられます。「正社員だから」という抽象的な説明では不十分とされる可能性が高く、職務内容・責任・配置変更範囲の具体的な違いを説明できる体制が求められます。規程の見直しや説明資料の整備など、ご不明な点はお気軽にご相談ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001598238.pdf
社会保険労務士法人 たじめ事務所 TEL.03-3511-0345(平日 10:00~18:00)アクセス