同一労働同一賃金ガイドライン改正 2026年10月予定
2026.05.13
労働政策審議会で議論されていた同一労働同一賃金ガイドライン(指針)の見直し案は2026年10月の施行が目標とされています。法改正は伴わず指針の改正のみですが、パートタイム・有期雇用労働法第8条(不合理な待遇差の禁止)の違反判断に直結するため、実質的な義務強化と受け止める必要があります。
今回の主な改正ポイントは、これまでガイドラインに明記されていなかった以下の5項目に「問題となる例・問題とならない例」が新たに示された点です。
・家族手当:継続的な勤務が見込まれる有期雇用労働者への不支給は問題あり
・住宅手当:転居を伴う配置変更が見込まれる有期雇用労働者への不支給は問題あり
・退職手当:職務内容・配置変更範囲が正社員と同等で長期勤続している場合、不合理な差は困難
・無事故手当:業務内容が同一の場合は正社員と同一支給が必要
・賞与:貢献度や業績評価を目的とする賞与は、有期雇用労働者にも同様の支給が必要
また、これまで対象外だった「無期雇用フルタイム労働者(無期契約の非正規社員・限定正社員等)」も是正対象として追加される点にも注意が必要です。
人事担当者として今すぐ取り組むべき対応としては、①雇用区分・人数と各待遇の一覧化、②上記5項目の待遇差の有無と合理的根拠の文書化、③就業規則・給与規程と実態の整合性確認、④待遇差の説明義務に備えた資料整備が挙げられます。「正社員だから」という抽象的な説明では不十分とされる可能性が高く、職務内容・責任・配置変更範囲の具体的な違いを説明できる体制が求められます。規程の見直しや説明資料の整備など、ご不明な点はお気軽にご相談ください。
カスハラQ&A公表 令和8年10月施行に向けて準備を進めましょう
2026.04.27
厚生労働省は令和8年4月、改正労働施策総合推進法に基づくカスタマーハラスメント(カスハラ)防止措置義務等に関するQ&Aを公表しました(令和8年10月1日適用)。実務対応の指針となる内容であり、各企業での準備状況を今一度確認されることをお勧めします。
Q&Aでは、カスハラの対象となる「顧客等」の範囲が広く解釈されています。まだ契約関係のない潜在的な顧客、施設の近隣住民、訪問先での取引先担当者なども含まれると明示されており、接客部門以外の労働者にも方針周知・研修が必要とされています。
実務上、特に重要なポイントは以下の通りです。
・就業規則等へのカスハラ独立規定は必須ではないが、対処方針の明文化と全従業員への周知は義務
・相談窓口はパワハラ・セクハラと兼用可。カスハラについては現場上司を窓口担当者にすることも可能
・録音・録画を事実確認に活用する場合、プライバシーポリシー等での利用目的の事前公表が必要
・悪質事案に対する対処方針(警告文発出、出入禁止など)をあらかじめ定めておくことが求められる
また、求職者等(インターン・OB訪問参加者等)に対するセクシュアルハラスメントへの措置義務も同時に適用されます。採用活動を行う企業では、面談時のルール整備や相談窓口の周知も必要です。
施行まで残り数か月となっています。対処マニュアルの整備・研修の実施・就業規則の確認など、未対応の項目があればお早めにご相談ください。
ゴールデンウイーク休業のおしらせ
2026.04.01
平素より格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
弊所では、誠に勝手ながら下記日程をゴールデンウイーク休業とさせていただきます。
【ゴールデンウイーク休業期間】
2026年4月29日(水)~ 2026年5月6日(水)
休業期間中にいただいたお問合せにつきましては、営業開始日(5月7日・木曜日)以降に順次回答させていただきます。
皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解の程宜しくお願い申し上げます。
厚生労働省は、2026年4月から雇用保険料率を現行の1.45%から1.35%へ引き下げる方針を示しました。
引き下げは2年連続で、雇用情勢の改善により失業給付の支出が抑えられていることが背景です。今回の改定では、労使折半で負担する「失業等給付」に係る料率が0.7%から0.6%へ引き下げられ、企業・従業員双方の負担が軽減されます。一方で、育児休業給付や雇用保険二事業に係る料率は据え置きとなります。
実務上は、4月1日適用となるため、給与計算システムの料率設定変更が必須です。特に、締日・支給日の関係によって適用タイミングを誤るケースがあるため、「賃金締切日ベース」での判定を徹底する必要があります。また、料率引き下げにもかかわらず旧料率で控除を続けた場合、過徴収となり返金対応が発生します。年度更新や社内周知とあわせて、設定変更の漏れ防止が重要です。今回の改定はコスト軽減につながるため、確実な対応が求められます。
令和8年4月より被扶養者認定の収入判定ルールが変わります
2026.03.12
令和8年4月1日より、健康保険の被扶養者認定における年間収入の算定方法に新たな運用が導入されます。今回の改正は、いわゆる「年収の壁」を意識した就業調整を防ぐため、労働契約に基づく認定の予見可能性を高めることを目的としています。
1. 労働契約の内容に基づく判定
新ルールでは、労働条件通知書等に明記された時給、労働時間、日数から算出される収入見込額に基づき判定を行います。この際、契約段階で見込み難い臨時的な残業代などの「臨時収入」は、年間収入に含めないこととされました。手続きには、労働条件通知書等と、本人による「給与収入のみである」旨の申立書が必要です。
2. 従来通りの判定となるケース
シフト制などで労働時間が不明確な場合や、給与以外の収入(年金や事業収入など)がある場合は、従来通り給与明細や課税証明書等によって判定されます。
3. 認定後の確認と更新
認定後、臨時収入により結果的に年収が130万円以上(60歳以上等は180万円以上)となっても、それが社会通念上妥当な範囲内であれば、直ちに認定が取り消されることはありません。ただし、労働契約の更新や条件変更があった場合には、その都度、書面の提出が求められます