失業給付面談 来年からオンライン可能に
2024.06.04
厚生労働省は、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会を開き、障害者や介護・育児中の人らを対象に、来年から雇用保険の失業給付を受け取るのに必要な面談を全国でオンライン化する方針を決めました。

現在失業給付を受け取るには、失業認定日にハローワークに直接出向いて面談を受け、求職活動の状況などを確認するため原則4週間に1度、来所する必要があります。 こうした中、面談に出向くのが難しい人たちの利便性を高めようと、去年7月から全国9か所のハローワークで試験的にオンライン面談が行われており、2025年1月からは全国に拡大することになります。
対象は「子育て中の人」「介護中の人」「障害がある人」「自宅とハローワークの間の移動に往復4時間以上かかる人」などとしています。

厚生労働省は今後、利用者向けのマニュアルを作成し、来年1月から全国で運用を始める方針です。


改正育児・介護休業法が成立しました
2024.05.27
改正育児・介護休業法が2024年5月24日の参議院本会議で可決・成立しました。

今回改正法では、3歳から小学校に入学するまでの子どもを持つ親を対象に、始業時間の変更やテレワーク、短時間勤務、新たな休暇の付与などの選択的措置の実施を義務づけ、残業の免除対象を小学校に入学するまでの子ども(現行は3歳になるまでの子ども)を持つ親にも広げることが盛り込まれています。
また、子どもの「看護休暇」の取得を入学式などの行事への参加でもできるようにし、対象を小学3年生(現行は小学校就学前)まで拡大するとしています。

このほか、育児休業の取得状況の公表義務を、これまでの「従業員が1000人を超える企業」から「300人を超える企業」に広げます。

一方、介護との両立に関しては、支援制度を利用せずに離職に至るケースが多いことから、企業に対し、家族の介護が必要となった従業員に介護休業などの制度を周知し、取得の意向を確認すること、さらに、介護に直面していない従業員にも早めに制度を周知することなどを義務づけるとしています。

施行日は、ほとんどが 2025年4月1日(一部が公布日から起算して1年6か月を超えない範囲内で政令で定める日)ですが、今から準備をしておくとよいでしょう。




厚労省 改正雇用保険法のポイントをまとめた資料を公開しました
2024.05.21
働き方が多様化する中でパートやアルバイトなど短時間勤務で働く人たちが、失業給付や育休の給付金などを受け取れるようにするため、雇用保険の加入対象を1週間の労働時間が「10時間以上」の人にまで拡大することを盛り込んだ改正雇用保険法などが、5月10日参議院本会議で可決・成立しました。
厚生労働省ではその改正のポイントをまとめた資料を公開しました。

雇用保険は、一定の保険料を支払うことで失業した時や育児休業を取得した時などに給付を受け取れますが、現在、対象は1週間の労働時間が「20時間以上」の人に限られています。改正法では2028年の10月から、対象を1週間に「10時間以上」働く人にまで拡大するとしていて、新たにおよそ500万人が給付を受け取れるようになる見通しです。
また、自己都合離職者の給付制限の見直し、自発的にリスキリング(学び直し)に取り組めるよう教育訓練中の生活を支えるための給付を創設することも盛り込まれています。
このほか、男性の育児休業の大幅な取得増等に対応できるよう、給付額に対する国の負担割合を今の80分の1から8分の1に引き上げるなど財政基盤を強化していく方針です。

今回の改正は、雇用保険被保険者の適用拡大や自己都合離職者の給付制限の見直しなど、実務への影響が大きい内容が含まれていますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

厚生労働省:雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001255172.pdf


2024年度 労働保険年度更新に係るお知らせが公開されました
2024.04.05
労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(これを「保険年度」といいます。)を単位として計算されることになっており、その額はすべての労働者(雇用保険については、被保険者)に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定することになっております。
労働保険では、保険年度ごとに概算で保険料を納付し、保険年度末に賃金総額が確定したあとに精算する方法をとっております。

この保険料の計算を行う労働保険の年度更新について、2024年度は6月3日(月)~7月10日(水)までに手続きを行わなければなりません。
年度更新申告書の書類は、5月末頃に送付されてきます。
この度、厚生労働省から新しいパンフレットが公開されました。また、各種様式や年度更新申告書計算支援ツールについても公開されています。

2024年度の労災保険率については、2024年4月1日より改定された事業の種類がありますが、雇用保険料率は2023年度から変更がありません。
大きな変更はありませんが、年に1回の手続きになりますので、早めにパンフレットを確認し、準備しておくとよいでしょう。

参考リンク:厚生労働省「労働保険年度更新に係るお知らせ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/roudouhoken21/index.html


育児・介護休業法などの改正案を閣議決定
2024.03.14
政府は12日、育児と仕事の両立支援を強化する育児・介護休業法などの改正案を閣議決定しました。
0~2歳に比べて手薄だった3歳以降の子を育てる従業員への支援策の充実を図るため、子どもが3歳から小学校入学前の間、従業員が複数の選択肢から働き方を選べる制度の導入を、企業に義務付けることが柱となっています。

具体的には、(1)企業が残業を免除する対象を子どもが小学校に入学するまでの親に広げるとともに、(2)3歳から小学校に入学するまでは、短時間勤務制度をはじめ、始業時間の変更やテレワーク、時間単位で取得できる休暇の付与など、複数の制度の中から2つ以上を設けることを企業に義務づけるとしています。
また、子どもの「看護休暇」については、感染症に伴う学級閉鎖や、入学式などの行事への参加も取得の理由にできるようにし、対象も、小学3年生までに広げるとしています。

このほか、男性の育児休業については、取得状況の公表義務をこれまでの「従業員が1000人を超える企業」から「300人を超える企業」に広げるとともに、新たに100人を超える全ての企業に目標の設定を義務づけることが盛りこまれています。

一方、介護との両立をめぐっては、支援制度を利用しないまま離職に至るケースが多いことから、家族の介護が必要となった従業員に対し、介護休業や介護休暇などの制度を周知し、取得の意向を確認すること、また、介護に直面していない従業員に対しても、早めに制度を周知することなどを企業に義務づけるとしています。

政府、今国会での成立を目指しています。


社会保険労務士法人 たじめ事務所 TEL.03-3511-0345(平日 10:00~18:00)アクセス